2019年10月1日から消費税が10%に増税されます。この消費税が増税されるタイミングで政府は軽減税率の導入を決定しました。今回は消費税ってなに?軽減税率ってなに?という基本的な視点から消費税の増税について考えてみます。
消費税が増税されます
新聞などでも報道されているとおり、来年10月1日から消費税が現在の8%から10%に増税されます。
消費税はものの消費に対して、ひろく・うすく課税する税金です。
平成元年4月1日(1989年)に3%でスタートした消費税ですが、過去2回増税されています。
平成9年4月1日に3%から5%に増税
平成26年4月1日に5%から8%に増税
平成31年10月1日に8%から10に増税予定←NEW
平成26年当時はすでに会計事務所で働いていましたので、消費税増税のバタバタを経験しています。
5%と8%が混在する消費税の申告書作成に戸惑ったのを覚えています。
ちなみに、平成9年当時は私はまだ10歳で、ひたすらドッジボールをしているわんぱく少年だったのですが、当時から消費税を意識していました。
それは、うまい棒を2本一緒に買うと21円のお会計だけど、1本づつ買うと20円で買える!ということです。笑
消費税って0円以下の端数は切り捨てされるんですね!
これは消費税が8%に増税されてからも使える知恵で、現在でもうまい棒は1本づつ買うと消費税がお得です。
では、消費税が10%に増税されるとどうでしょうか。
うまい棒の本体価格10円に対して消費税が10%課税され、本体価格10円+消費税1円となり、うまい棒の税込価格は11円になるのでしょうか?
正解は、10%に増税されてもうまい棒は1本づつ買うと10円で買えます。
その理由は、うまい棒などの「食品」には8%の軽減税率が適用されるからです。
軽減税率とは
軽減税率とは、標準の税率よりも低い税率を適用することをいいます。
世界的にも食品や生活必需品などには低めのVAT(Value Added Tax=付加価値税)が適用されています。
旅好きとして色んな国を旅行していますが、旅先の消費税ってけっこう意識するんですよね。
消費税って身近な税金だからでしょうか。
日本も来年の10月からは日常に8%の税率と10%の税率が混在します。
なにが8%の対象かというと下記の2点です。
①飲食料品(酒類を除く)
②新聞
さて、日本が導入を決めたこの軽減税率ですが、様々な課題を抱えていると言われています。
課税の逆進性の問題、益税の問題、免税事業者がビジネスから排除されてしまう問題、事務負担の増大、税の簡素化からの問題、業界団体のロビー活動の懸念などなど、、、
ブログでは語りつくせないほどの問題点があります。消費税の複数税率は論文が何本も書けるほど問題点がありますし、実際にヨーロッパ諸国では問題点が指摘されています。
複数税率の問題点
複数税率の問題点は、適用の基準がわかりにくいということです。
例えば、某ハンバーガーショップでハンバーガーを購入したとします。
店内で食べる場合、外食=豪華な食事として標準税率の10%が課税されます。
持ち帰った場合は、食品とみなされ、8%の軽減税率となります。
では、「持ち帰ります」と店員さんに伝え、店内で食べた場合はいくらの税率が適用されるのでしょうか。
お客さんが持ち帰りと答え、店員さんがわざわざ持ち帰り用の包装をし、8%の税率でお会計をした後に、こっそり店内で食べたら、店員さんから消費税2%分のお会計を請求されるのでしょうか。
現状では店員さんが追加の代金を請求することはできないとのことです。
お店は売上について消費税分の2%を失い、さらに包装費用や包装するための人件費も余分にかかっています。
今回のケースはほんの1つのたとえ話ですが、複数税率は他にもわかりにくさがあります。
レストランでの食事は10%ですが、食べきれない残りの料理を包みに入れてもらい持ち帰る場合、この持ち帰りは8%なのでしょうか?この場合は外食と判断し10%課税です。
本みりんは「酒類」に該当するため10%課税ですが、みりん風調味料は「食品」に該当するため8%課税です。
う~ん複数税率わかりにくすぎますね。
疑問点、問題点は山ほどあります。
問題点について、いくらでもしゃべれますので、気になる方は一緒に飲みにいきましょう。笑
個人的には軽減税率の導入には反対です。たった2%の増税のために、これだけの問題を抱えた制度を国が採用するとは考えられません。さらなる消費税増税を国は予定しているのでしょう。
消費税の増税に対し、お客様へ対策をお伝えするとともに、私自身も消費税の対応に追われないように準備していきます。
<編集後記>
今週は3月決算の法人の中間申告書の作成。電子申告作業、製本作業、株価算定、準確定申告、相続税申告書作成など膨大な業務で疲弊しました。週末は同期が退職する私の送別会を開いてくれました。送別会を開いてくれる同期、良い人達です。本当に嬉しかったです。
<本日の一日一新>
いつものスタバとは違うスタバに行ってみる。周りのお客さんの層もいつものスタバとは違うため、新鮮な気分です。ケーキを試食で一切れもらい、ラッキーでした。また来ます。